「ねぇ、まだ終わらないの?」
「終わらん」
「じゃああたし帰ってもいい?」
「だめじゃ」
「なんで」
「なんでも」







丁度1時間前から、あたしはこの数学教室にずっといる。
とくに何をするわけでもなく、ただただ椅子に座っているだけ。
理由は、クラスメイトである仁王が反省文を書いているから。
仁王が何をして反省文を書いているかは知らないが、それよりもっと気になる事がある。
なぜ仁王に付き合ってあたしまで残らなければいけないのだろう。
・・・詐欺師。やっぱりこいつのあだ名は正しい。
、話したいことがあるんじゃ。放課後に数学教室で待っててくれ』
なーんて言われてさ、内心ドキドキしながら教室に行ったら、仁王が反省文書いてるんだもん。
話って何?って聞いたら、これが終わったら言っちゃるって言われてかれこれ1時間。
本当は話したいことなんてないんじゃないか。
ただ、ひとりで帰るのは寂しいからあたしに付き合わせてるんじゃないか。
そんなんだったらもう帰ってやる。
そうずっと思ってるけど、思ってるだけで行動には移せないでいた。






「まだ終わらないの〜?」
「んー・・・したらちょっと休憩じゃき。」
「は!?休憩してるヒマあったら書きなさいよ」
「人生息抜きも必要ぜよ?」
「息抜き過ぎもだめなのよ」
「まぁまぁ。あ、じゃあにクイズじゃ!」





無邪気な子供のように、仁王は笑ってそう言った。
コイツ、今日中に反省文終わらせるつもりはないのか。






「じゃあ、最初は簡単な問題。【男−男(男ひく男)】は?」
「は!?なにそれ、なぞなぞ?」
「まぁそんなようなもんじゃ。ほれ、早ぅしんしゃい。」
「んー・・・・男から男がいなくなるんだから・・・・答えは【なし】?」
「ブッブー。正解は【オカマ】じゃ。」
「ひっかけかい!!!」
「俺流の俺クイズだから答えはなんでもアリじゃき。」





くっくっくっと楽しそうに仁王は笑った。
正直あたしは悔しかったんだけど、そんな仁王の笑顔を見てしまうと嬉しくてたまらなくて。
普段教室では笑顔なんか見せないから、びっくりもしたけど。




「よし、じゃあ次じゃ。【男+女】は?」
「男に女を足すんだから・・・あ、わかった!さっきと同じ答えの【オカマ】でしょ!?」
「ブッブー。正解は【男女(だんじょ)】。漢字の問題じゃな。」
「最初ひっかけて次は普通のかい!!!」
「それが俺流じゃけぇ。」





「じゃあ次。【男×女=子】は?」
「何ソレ。答えもう出てるじゃない。子じゃないの?」
「違うきに。さぁ、答えんしゃい」
「・・・わっかんない!答えは何?」
「【セッk「良い子は聞かなかったフリをしようね^^!!!!」
「誰に言ってるんじゃ」
「健全な世界を生きている方々によ!」
「なんじゃそりゃ。」
「いいから、次!」





「じゃあ次で最終問題にしちゃる。」
「うん。何?」
「最終問題は4択じゃ。よかったな、簡単で。」
「それなら楽勝ね!変てこな問題にしないでよ?」
「ああ。かなーり簡単じゃき。」
「うん?」
「Q.俺、仁王雅治は、誰のことが好きでしょう?」
「はぁっ!?難しすぎるでしょ!」
「@、
「・・・・・・・・・・・・え?」
「・・・A、。B、。C、。さぁ、どれ。」
「どれって・・・・・」



















勝利の方程式








(・・・全部一緒じゃん)
(お?そうか?スマン、1択だったようじゃな)
















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